最近様子がおかしい部下

2025年06月13日

管理職からの質問


業務中にぼーっとしたり、他者と口論になったりとメンタル不調が疑われる部下Bがいます。気になったので面談を行い、病院への受診を勧めました。しかし本人に「病気ではない」ときっぱり拒否されました。無理矢理病院に連れていくわけにもいかず、電話でのメンタルヘルス相談の利用を勧めても本人がその気になりません。業務に対して注意をすることは、病気であれば調子を悪くしてしまうのではないかとためらいがあり、何も言わずに様子を見ることにしました。しかしその後の状況は変わらず、トラブルは増えていくように思います。周りの同僚からも、口論になって仕事にならないと不満を訴えられました。どうしたらよいでしょうか。

対応の視点


職場にて部下のメンタル不調が疑われるケースが発生した際、その部下に対して病院への受診を勧めても拒否的な反応を示されることは多いようです。その場合管理職の方々は、どのように対応するか迷われることもあるでしょう。職場ではその部下の「メンタル不調」の部分に着目するのではなく、その方が業務を遂行していく上で支障となっている客観的事実やあるいはそのことで周囲の業務負担が増えるという事に目を向ける必要があります。職場関係者は精神科医などの専門家ではないので、「メンタル不調」が存在するかどうか、すなわち病気かどうかを判断する必要はありません。着目すべきは職場での客観的な事実です。

これを『事例性』といいます。事例性の具体例としては、最近遅刻が増えた、業務の効率が落ちている、ミスが非常に多くなった、などがあります。この事例の部下Bさんの場合「ぼーっとしていて業務が滞っている」「他者と口論になって業務に差し支えがある」といった点です。その他Bさんの遅刻や早退、欠勤などの勤怠の様子を確認することも重要です。


【部下との面談】

このような事例性での問題点を確認し、部下と面談を行います。まず、この業務に関する問題を取り上げて、「なぜこのようなことが起きているのか」ということを本人と共有します。そして、その問題に対しての対策や目標を作成します。例えば、「遅刻はしない」「ミスが起こらないようにチェック機能を作る」などです。同時に目標を達成するための行動計画を立てます。この目標が達成できるかどうかを見極める期間を作ります。そして、期日までに目標達成できなかった時はどうするのか?という代案を必ず考えておきます。この代案の一つに「病院を受診する」というものを設定することが可能です。

Bさんに対しては、まず面談で「ぼーっとしているのはなぜか」「他者と口論になってしまうのは何か理由があるのか」を確認し、本人の考えや気持ちを聴きます。その際「ぼーっとしていること」に関連して、睡眠や食欲などの健康面を尋ねることも可能でしょう。そこで、本人とその問題を起こさないためにはどうすればいいのか対策を考え、期日を設けて様子を見ることを約束します。そして、その期日になっても状態が変わらないようであれば「医療機関を受診して、状態を診てもらう」ことをお伝えします。

【一定期間後の対応】

「一定の期間様子を見て、ぼーっとすることがなくらなかったら病院を受診する」と設定することで、目標が達成できなかったときに本人を医療機関へつなぐことが可能になります。また、面談の際には体調を尋ねることも重要です。「メンタルが心配だ」と伝えると、部下は身構えてしまうことが多いでしょう。「眠れているか」「食欲はあるか」といった体調面を尋ねることでも、調子が悪いならば医療機関へ相談するという流れが作りやすくなります。一定の期間様子を見て、業務上の問題が改善するならば、このまま継続してもらうことがよいでしょう。しかし状態が変わらない、ますます悪くなるといった様子であれば、はじめの約束通り医療機関を受診してもらいます。医療機関受診後は、主治医の診断のもと、業務上の配慮を行っていく必要があります。


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